Friday, May 31, 2013

薬剤師が介入すると地域の人々の健康が改善する

イギリスの調査によると薬剤師が少しだけ介入することで、地域の人々の健康が改善することが示唆されたそうです。

一年間に渡り、循環器系疾患のリスクがある人にアドバイスを続けたら65%の人で体重減少(平均4キロ)が見られたり、半数でコレステロール値の改善やその他心筋梗塞や心不全のリスクも減ったとか。

これにより、医師の負担軽減や医療費削減も望めるかも、とのことです。


イギリスで循環器系疾患に使われる医療費は年間190億ポンド(3兆円くらい?)ということで、今後ますます予防医療や軽疾患への対応による公衆衛生の向上への貢献が求められる流れがあるようです。


原文はこちらから
http://www.guardian.co.uk/healthcare-network/2013/may/30/pharmacy-first-approach-can-improve-health?CMP=twt_gu



Thursday, May 16, 2013

世界の薬学&薬剤師事情


昨年、マイナビさんの薬学生のための就活スタート号2014に執筆した「世界の薬学&薬剤師事情」がオンラインで見れるようになりました!


友人とともに、各国(イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、オーストラリア、カナダ、チェコ、ガーナ)の薬剤師を取り巻く状況について書きました!

コンパクトにまとまっているので、就活生以外の方も、どうぞご覧ください(^O^)/

http://jobebook.mynavi.jp/library/14/yakugaku/#page=169





Sunday, May 05, 2013

出会いは人生を変える

生徒から、久々の便りが。

「アメリカ留学、決めました。授業で後町さんの国際協力の話を聞いたことがきっかけです。」



協力隊に行く前から地道に続けて来た活動。少しずつ日本とガーナの子どもたちの未来につながってきているみたい(^^)


Wednesday, May 01, 2013

薬剤師が思っているほど人々は医薬分業について知らない

1ヶ月前から病院で働いています。

同期は58名。

看護師、臨床検査技師、放射線技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療事務、経営企画、医療工学士...

様々な職種の方がいます。

もちろん、院内には、他にも、医師、歯科医師、医療ソーシャルワーカー、医療クラーク、総務経理や施設課などの方もいます。

初期研修も終わり、同期はそれぞれの部署へ配属。

朝から晩まで、みんな奮闘しています。

出勤時や帰りのロッカールームや、お昼の食堂などで時々顔を合わせ、
お互いの様子について語り合う事もしばしば。



そこで、他の職種の人によく聞かれること。



「薬剤科(院内薬局)の人って普段どこにいるの?」

と。


薬剤師には普段病棟ですれ違うが、薬剤師が普段、いったいどこにいるのか、何をしているのか、見えないのだと言う。

それもそのはず。

病院の薬剤部(院内薬局)って、大抵変なところにあることが多いです。

暗い地下室とか。
地上でも、表側でなく、裏側とか。

そういう配置になったには、いろいろ理由もあるみたいなんですけどね。

最近は病棟常駐している薬剤師も多いですかので、以前よりは見えるようになってきたとは思いますが。



うちの病院の薬剤科も、一階にあるものの、人目につきにくい倉庫みたいな位置にあるので、職員ですら、はじめはどこにあるかわからないみたいです。



そうそう、それで
冒頭の話の続きですが。

「薬剤科の人って普段どこにいるの?」と他職種の方(仮にA子さんとします)に聞かれ、

私「一階の薬局だよ」
と答えました。

そうしたら
A子「あー!あの、病院の正面にあるやつ?」

と。


!!!Σ(ーOー)!!!




私「そ、それは調剤薬局だよ。あれは病院の施設じゃなくて、違う人が経営しているものだよ。」

A子「え?そうなの?」

と。

このやりとりはA子さんに限らず、他の人でも同じようなことがありました。


このことから私が思った事は二つ。


一つは、たとえ医療者であっても、薬剤師や薬局について、知らなかったりする。
つまり、薬剤師以外の人からしたら、薬局とか薬剤師って、なんとなく聞いた事や見た事はあるけど、実際は何のために何をしているのか、よくわからない。

これは、そんなに驚くことでもないですが。
私だって、恥ずかしながら、理学療法士や作業療法士の方がどんなことができるのかとか、今の病院に入るまで、そこまできちんと考えた事がありませんでしたし、
医療工学士という職種に関しては、今回初めて聞きましたし。
なので、薬剤師や薬局について、良く知られていないのなら、それは見えるようにして、わかりやすくお伝えしていくまでの事。


問題はもう一つのことです。
医薬分業率が6割を超える現代において
病院で働く人ですら、
院内の薬局と、院外の薬局の区別がよくわからない。
つまりは医薬分業というしくみについて、知らない、という人が結構いるということです。


一般の方で、自身やご家族が入院などのご経験がなければ、病院に薬剤師がいることや、病院の薬剤師が何をしているのか知らないということは、しょうがないことかもしれません。

でも。病院にいる職員にすら、その存在や役割が伝わっていないとすればそれは問題。だってなんだかよくわからない人とは協力しようがありませんから。
(もちろん、うちの病院でも新入職員以外は、薬剤科の場所も薬剤師のことも知っていますが)


さらには、今やコンビニより数が多いという調剤薬局や、
全国に10万人以上いるという薬剤師の大多数を占めている薬局薬剤師について
他の医療者や、一般の方々が、よく知らないという事は
これまた問題かと。


医薬分業とか
チーム医療とか
地域医療とか
在宅医療とか


これからの医療において、薬剤師は欠かせないもの
だって治療の大半を薬物治療が占めていますから
さらに日々、薬物治療は高度化、複雑化しているため
薬の専門家は欠かせません




信じているのが

薬剤師だけだったら
意味ありません



薬剤師の仕事を
もう少し見えやすく
わかりやすくしていきましょう

そして耳を傾けましょう
患者さんや地域の人々、また他職種の声に
そして伝えていきましょう
私たち薬剤師が
何のために
どんなことをしているのか



(ということで、私は細々と各種メディアでの発信、講演や執筆など今後も継続していきます。次の講演予定は、8月東京、10月東京、11月北陸?執筆依頼もちょこちょこ頂いております。また詳細決まり次第お知らせします。)






















地元の病院で働くということ。

大学卒業後、アフリカのガーナへ。そして金沢での研究生活を経て、数年ぶりに地元八王子へ。家族や友人となかなか会える距離にいなかった私にとって、大切な人たちと過ごせる時間がたくさんとれるのは貴重で嬉しい事です。

長年国際的な活動に携わってきた私に、
「なぜ、今、日本で働くのか」
という疑問を投げかける人は少なくありません。

でも、私からしたら、アフリカの人の命も、日本の人の命も、同じ命です。

縁があり、出会い、関わる事になった大切な人々の生命や生活が少しでも幸せなものになるよう、お手伝いをすること、そして少しでもお役にたてるように日々、勉強する事。
やっていることや場所は違っても、私にとっては変わらない事です。

唯一違う事があるとすれば、そこで過ごした時間の長さ、
特に、日本で生まれ育った町は、自分を成長させてくれた大切な場所であり、
育ててもらった恩が他の場所より強くあることでしょうか。


実際、我が家のおてんばさんが落馬して頭を打った際には、うちの病院にお世話になりましたし、
地元の友人や友人の家族が来る事もあります。

そういった時に、
自分が普段、関わっている患者さんたち一人一人にも同じように、
家族がいて、
大切な友達がいて、
日々の仕事があったり
生活があるということを
思い出します。
すごく当たり前のことなんですが、
病院という閉鎖的な空間にいると
そういった当たり前のことが見えなくなったり
いわゆる普通の感覚を忘れそうになったりすることもあります。

日本という国に生まれて、
家族や友人に恵まれ、助けられ
今日まで生きてきた私が
こうして少しでも、仕事を通して地元に恩返しをする機会をもらえるということは
ありがたいことです。